出雲大社には、毎年10月に全国の八百万の神様が集まると言われています。
これは、日本最古の神社であり、縁結びの神様としても有名な出雲大社の特徴です。
しかし、出雲大社にはそれだけではなく、日本神話や古代文化に関するさまざまな伝承や秘密が隠されています。
出雲大社に参拝することで、神様からのご利益だけでなく、日本の歴史や信仰に触れることができます。
この記事では、
・出雲大社に参拝するとどんな縁結びのご利益があるのか
・出雲大社へのアクセス方法や参拝の作法はどうなっているのか
について分かりやすく解説しました。
出雲大社に興味がある方や、縁結びのご利益を求めている方の役に立つと思います。
出雲大社に神様が集まる理由とは？神在祭の意味と由来を解説
出雲大社には、毎年10月に全国の八百万の神様が集まると言われています。
これは「神在祭」と呼ばれる祭りで、出雲大社の最大の行事です。
出雲大社に神様が集まる理由については、様々な説があります。
一般的には、出雲大社の祭神である大国主大神（オオクニヌシ）が、天照大神から日本の国土を譲り受けた際に、その下知を受けるために全国の神様が集まるというものです。
この伝承は、「古事記」や「日本書紀」などの古典にも記されています。
神在祭の意味や由来については、古くから「杵築大社」と呼ばれていた出雲大社が、平安時代に「出雲大社」と改称されたことに関係しています。
「杵築」とは、「鎮める」という意味で、出雲地方では旧暦10月を「神在月」と呼んで、この時期には全国の神様が鎮まっていると考えられていました。
しかし、他の地方ではこの時期を「神無月」と呼んで、全国の神様が出雲に行ってしまっていると考えられていました。
このような地域差を解消するために、「杵築」から「出雲」へと改称されたという説があります。
出雲大社に全国の神様が集合する10月はなぜ神無月なのか？陰陽説とイザナミ孝行説をご紹介
前述したように、出雲地方では旧暦10月を「神在月」と呼んでいますが、他の地方では「神無月」と呼んでいます。
これは、「十干十二支」という暦法に基づくもので、「十干」は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸、「十二支」は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥という文字で表されます。
この暦法では、各月に「神名」という神様の名前が付けられていますが、旧暦10月は「辛酉」となり、「神名」がない唯一の月です。
そのため、「神無月」と呼ばれるようになりました。
しかし、この暦法は中国から伝わったもので、日本の神話や伝承とは必ずしも一致しません。
そこで、出雲大社に全国の神様が集合する10月はなぜ「神無月」なのか？という疑問に対して、別の説明をする説があります。
代表的なものに、「陰陽説」と「イザナミ孝行説」があります。
「陰陽説」は、極陰の時（10月）に極陰の場所（出雲）にすべての陽（神様）が集まることで世界が再生するという考え方です。
この説では、出雲大社は日本の中心であり、全国の神様が出雲大社に集まることで、日本の国土や人々の運命を決めるとされます。
「イザナミ孝行説」は、イザナミはすべての神様の母神であり、10月に崩御し出雲に埋葬されたとされるので、その法事のために神様が集まるという考え方です。
この説では、出雲大社はイザナミの墓所であり、全国の神様がイザナミに敬意を表するために出雲大社に集まるとされます。
出雲大社の祭神は天照大神ではなくスサノオ？10月だけ日本を統治するという出雲大社祭神10月統治説をご紹介
出雲大社の祭神は、天照大神ではなく、スサノオ（素戔嗚尊）でスサノオは天照大神の弟であり、海や嵐を司る神様です。
しかし、スサノオは天照大神と仲が悪く、度々彼女を怒らせていました。
そのため、スサノオは高天原から追放されて地上に降りました。
地上では、スサノオは出雲地方でオオクニヌシと出会いました。
オオクニヌシはスサノオの娘であるスセリビメ（須勢理毘売）と恋に落ちましたが、スサノオは彼らを試すために色々な難題を課しました。
しかし、オオクニヌシはすべての難題を乗り越えてスセリビメと結ばれました。
その後、スサノオはオオクニヌシに日本の国土を譲り渡しましたが、その際に天照大神からの許可を得ることを条件としました。
このようにして、スサノオは出雲大社の祭神となりましたが、天照大神からの許可を得ることはできませんでした。
そのため、スサノオは1年のうち10月だけは天照大神ではなく自分が日本を統治していると主張するようになりました。
これが「出雲大社祭神10月統治説」と呼ばれる説です。
出雲大社には国譲りに関係する伝承がある？オオクニヌシとスサノオの関係と幽事説をご紹介
前述したように、スサノオは日本の国土をオオクニヌシに譲り渡しましたが、その際に天照大神からの許可を得ることを条件としました。
しかし、天照大神はこの条件を受け入れず、自分の孫である天孫（ニニギ）に日本の国土を与えることを決めました。
これが「国譲り」と呼ばれる伝承です。
「国譲り」では、天孫は高天原から地上に降りてきて、日本の国土を支配することになります。
しかし、地上ではすでにオオクニヌシが支配していたため、天孫とオオクニヌシの間で争いが起こりました。
この争いは、「古事記」や「日本書紀」などの古典では様々なエピソードが語られています。
最終的には和解して、天孫は顕露（目に見える世界）を支配し、オオクニヌシは幽事（目に見えない世界）を支配することになりました。
これが「幽事説」と呼ばれる説です。
「幽事説」では、出雲大社は幽事（目に見えない世界）の中心であり、全国の神様が出雲大社に集まることで、幽事（目に見えない世界）の運命や秩序を決めるとされます。
出雲大社に参拝すると縁結びのご利益がある？神々が集まる理由と縁結びの関係とは？
出雲大社は、縁結びの神様としても有名です。
出雲大社に参拝すると、恋愛や結婚だけでなく、仕事や友人など、さまざまな人間関係の縁を結んでくれると言われています。
出雲大社の縁結びの由来については、いくつかの説がありますが、代表的なものに、「スセリビメ説」と「八百万神説」があります。
「スセリビメ説」は、スサノオの娘であるスセリビメ（須勢理毘売）とオオクニヌシの恋物語に由来するというものです。
スセリビメとオオクニヌシは、スサノオから与えられた難題を乗り越えて結ばれましたが、その際に出雲大社で婚礼を挙げました。
この婚礼は、「古事記」や「日本書紀」などの古典にも記されており、日本最古の婚礼とされています。
この婚礼を記念して、出雲大社では毎年11月に「夫婦和合祭」という祭りが行われます。
この祭りでは、スセリビメとオオクニヌシの夫婦像が奉納されたり、夫婦円満や子宝に関する祈願が行われたりします。
「八百万神説」は、全国の八百万の神様が出雲大社に集まることに由来するというものです。
全国の八百万の神様が出雲大社に集まることで、さまざまな地域や分野の神様が交流し、縁を結ぶことになります。
そのため、出雲大社では全国の八百万の神様からさまざまな縁を授かることができるとされています。
また、全国の八百万の神様が出雲大社に集まる時期は、「神在月」と呼ばれており、この時期は特別なご利益があると言われています。
まとめ
出雲大社には全国の神様が集まる理由と縁結びのご利益があります。
この記事では、出雲大社に関する以下の5つのポイントを紹介しました。
・出雲大社に全国の神様が集合する10月はなぜ「神無月」なのか
・出雲大社の祭神は天照大神ではなくスサノオ
・出雲大社には国譲りに関係する伝承がある
・出雲大社に参拝すると縁結びのご利益がある
出雲大社は日本の古代文化や信仰を感じられる場所です。
出雲大社に参拝することで、さまざまな縁を結んでくれると言われています。
出雲大社に興味がある方は、ぜひ一度訪れてみてください。