ナスは加熱して食べるイメージが強いですが、もちろん生でも食べれます。
ただ生食が危険な印象もあるので、こちらの記事では、
・ナスの生と加熱した際の栄養価とメリットについて
・ナスの生の食べ方と注意点や保存方法
について、野菜が大好きで野菜料理のレパートリーを増やすのが趣味の私が解説しています。
ナスを生で食べることに不安を感じている人は、是非参考にしてみてくださいね。
ナスの生が危険でお腹を壊すと言われているのはなぜ?
ナスといえば「秋ナスは嫁に食わすな」のことわざが有名ですね。
ことわざ自体の意味は所説ありますが、体に悪いからという理由もあるそうです。
こちらでは実際にナスに毒性があるのかやなぜ生で食べると危険でお腹を壊すと言われているのかについて解説していきます。
ナスを生で食べてしまったらなぜ危険と言われているのか?
ナス科の植物には「アルカロイド」という成分があるのですが、これには強い毒性があり、摂取すると吐き気や腹痛などの食中毒症状を示すことがあります。
実はナスに限らず、自らの種を残すために、天敵から食べられないように天然の毒素を作り出している植物は少なからずあります。
実際にじゃがいもの芽やふきのとうなどの山菜の多くも、アルカロイドが含まれているんです。
ナスを生で食べてしまったら危険と言われている理由は、ナスには毒性がある=危険と考えられているからかもしれません。
ナスを生で食べてしまったら下痢や腹痛にはならないのか?
ナスを生で食べて下痢や腹痛になることはありません。
ただ、ナスは体を冷やす特性があるため注意が必要です。
ナスは夏野菜のひとつで余分な熱を放出させる働きがあるため、夏の暑い時期にはむくみや夏バテ予防と嬉しい効果となるのですが、普段からお腹が弱い人は下痢や腹痛を招くことがあります。
ナスを生で食べる際は、さらに体を冷やすことがないようにショウガやトウガラシなどの体を温める食材と一緒に食べる工夫をするといいでしょう。
味や風味もプラスされておすすめです。
ナスは生は体に悪いものではないの?
ナスの生自体は体に悪いものではありません。
確かにナスにはアルカロイドという毒性がありますが、長年品種改良をされて、その含有量は大幅に抑えられています。
日常食べる量で健康被害になることはなく、安心して食べることができますよ。
ただ何にでも言えることですが、同じものばかり大量に食べると思わぬリスクが出ることがありますので食べすぎには注意しましょう。
ナスの生と加熱した時の違いとは?栄養価が高いのはどっち?
ナスは油との相性もいいので、揚げたり、炒めたりと加熱して食べることが多いですが、火を通した方が栄養価も高いのでしょうか?
そもそもナスに栄養はないと聞いたことがあります。
本当にナスには栄養がないのか、それではナスの生と加熱した時の違いや栄養価を見ていきましょう。
ナスの生の栄養価とは?
ナスはそのほとんどが水分でできているため栄養豊富とまでは行きませんが、体にいい栄養素がたくさん含まれています。
代表的な栄養素は、葉酸、カリウム、食物繊維です。
特にカリウムは、余分な塩分や水分と一緒に体の熱も一緒に排出してくれます。
きゅうりなどの夏野菜にも多く含まれていて、夏バテ予防にもってこいですよ。
また、ナスの紫色の皮にはナス特有のナスニンというポリフェノールが含まれています。
ポリフェノールは抗酸化作用や免疫力アップに役立ちますが、ナスニンはアントシアニン系の色素があり視力や眼精疲労の改善にも期待できます。
そういえばブルーベリーにもアントシアニンが豊富に含まれているのは有名ですが、同じくきれいな紫色をしていますね。
このカリウムとアントシアニン、どちらも水溶性のため水に溶けて流れやすい性質を持っています。
なるべく栄養を逃さないためには生で食べるという選択肢が良さそうです。
ナスを加熱した場合の栄養価とは?
ナスに含まれる水溶性の栄養素は加熱するとどうしても流れ出てしまいます。
そのため、できるだけ栄養を留めておくには油でコーティングして調理するのが良い方法です。
ナスは油との相性が抜群ですので、高温でサッと炒める中華料理などは栄養素の損失を最小限に抑えることができておすすめです。
また、味噌汁などの具にして汁ごと食べれば丸ごと栄養を摂取できますね。
ナスは味噌との相性もいいのでこちらもおすすめですよ。
ナスの生の食べ方と注意点や保存方法とは?
ナスは時間がたつとアクが出て切り口が茶色に変色しますね。
アクが出てしまったナスは生で食べるには見栄えや味の点からもちょっとまずそうです。
生のナスを美味しく食べるにはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか。
ナスの生食に馴染みのない方も多いと思いますので、一緒にチェックしていきましょう。
ナスを生で食べる時の食べ方とは?
ナスはアクが強いため、時間がたつと切り口が茶色に変色し渋みやえぐみが出てきます。
そのため、生で食べる場合はアク抜きをした方が無難です。
アク抜きの方法は簡単です。
2.切り口に塩を振って2~3分おき、出てきたアクを拭き取る
ただ、ナスのカリウムやナスニンといった栄養素は水に溶ける性質があるため、長時間水にさらすのは避けてくださいね。
ナスを生で食べる時の注意点は?下処理なしは危険なの?
ナスは生で食べても問題ありませんが、生で食べる際には食中毒のリスクが高くなるのは言うまでもありません。
特にナスは皮ごと食べるため、表面についた細菌も一緒に摂取してしまう危険があります。
単に水で洗い流すだけでなく表面についた細菌や汚れをしっかり落としましょう。
また、新鮮なナスを使いましょう。
新鮮なナスは、
・傷や色ムラがない
・ヘタがしっかりしてトゲが尖っている
などの特徴があります。
ナスを切ったときに種が黒くなったり断面が茶色になったものは傷んできている証拠ですので、生食は避けた方がいいでしょう。
ナスを生で調理した時の保存方法や賞味期限とは?
ナスは時間がたつとアクが出やすく栄養価も下がるため、なるべくすぐに食べてしまうのがおすすめです。
どうしても保存する際は、日の当たらない涼しい場所で常温保存をしましょう。
冷蔵庫で保存する場合は、ナスは冷気に弱いため一つ一つラッピングして冷気に直接当たらないようにするといいですよ。
賞味期限は3日〜1週間程度です。
また、冷凍保存をする場合は、アク抜きをしたあとに水気をしっかり拭き取ってから保存袋へ入れて空気を抜きます。
賞味期限は1ヶ月程度ですが、ナスは水分が多い野菜のため冷凍には向きません。
生で食べるにはやはり新鮮なナスを早めに食べることが大切です。
まとめ
ナスはどんな料理にも合う万能野菜であるばかりか、意外にも栄養価も優れていることがわかりましたね。
また、新鮮なナスを生で食べるとみずみずしくさっぱりとして、加熱したものとはまた違った味わいで美味しいですよ。
ナスを生で食べる際に知っておくといいのは、以下の3つです。
・ナスの紫色の皮にはナスニンというアントシアニン系の色素があり、視力や眼精疲労の改善が期待できる。
・ナスを生食をする際は新鮮なナスを使いアク抜きをし早めに食べると良い。
ナスを生で食べることに不安を感じている人は、是非参考にしてみてくださいね。