栗が水の上に浮かぶ現象、その背後には何があるのでしょうか?
多くの人が栗の硬い外皮を取り除く前に、水に浸して柔らかくすることを知っていると思います。
通常、水に浸す時間は半日から一日程度が理想的ですが、その際に栗が水の上に浮かぶことがあります。
この水に浮かぶ栗に関しては、「虫が入っている証拠だ」とか「品質が悪い栗が浮かぶ」といった様々な説が存在します。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか?水に浮かぶ栗は捨てるべきなのでしょうか?
これについて調査し、結果をまとめてみました。
栗が水に浮く理由とは?
栗が水の上に浮く背後にはいくつかの理由が存在します。
まず、栗が水に浮く主な理由としては、栗の内部に空洞ができていることが挙げられます。
この空洞は、虫によって栗の実が食べられてできることもありますが、それだけではありません。
収穫後に時間が経過し、栗が乾燥してしまった場合や、もともと実が小さくて空洞ができてしまうこともあります。
また、虫が入っていても、実があまり食べられていなければ、栗は水に沈むこともあります。
ちなみに、水に半日ほど浸けておくと、栗の中にいる虫は外に出ていくことがあります。
次に、栗が水に浮く理由として、でんぷんの量が少ないことが挙げられます。
でんぷんが豊富に含まれている栗は重く、水に沈みやすいです。
逆にでんぷんが少ない栗は軽く、水に浮きやすい傾向があります。
栗の美味しさ、つまりホクホクとした食感や甘みは、でんぷんから来ています。
そのため、「水に浮く栗=甘みが少なくホクホクしていない」というイメージが広がり、「水に浮く栗は美味しくない」という話が出てきたのでしょう。
しかし、でんぷんが少ない栗は煮崩れしにくいため、料理に使いやすいというメリットもあります。
また、「でんぷんが少ない栗の方が美味しい」と感じる人もいるため、一概に水に沈む栗の方が美味しいとは言い切れません。
味の好みは人それぞれですからね。
水に浮く栗は良くないのか?
水に浮く栗の理由にはいくつかの要因があります。
栗が水に浮く理由は一つではなく、単純に「水に浮く栗は良くない」と断言することはできません。
確かに、実がしっかり詰まっていて虫に食べられていない、でんぷんが豊富な栗は水に沈むことが多いです。
そのため、水に浮くか沈むかを判断基準の一つとして利用するのは有効な方法です。
新鮮な栗は水に沈む傾向が強いため、できるだけ新しいものを選んで食べるのがおすすめです。
栗の甘さを最大限に引き出す茹で方とは?
栗の甘さを最大限に引き出す茹で方をご紹介します。
特に、水に浮いてしまった栗でガッカリした方に試していただきたい方法です。
1. 生の栗を水でよく洗い、ボウルに入れて水に浸します(半日程度が目安)。
2. 水を切り、鍋に栗を入れ、新しい水を栗がすっぽりと浸るくらい注ぎます。
3. 鍋を火にかけ、沸騰させたら少量の塩を加えます(栗300gに対して小さじ2程度が目安)。
4. 塩を加えた後、中火で10分、その後弱火で30分程度煮ます。
5. 栗が茹で上がったら、湯気が収まるまでお湯に入れたまま置いておきます。
この方法で茹でると、塩が栗の甘さを引き立て、茹で上がった後にしばらく置いておくことでアクが抜け、鬼皮や渋皮も剥きやすくなります。ぜひ試してみてくださいね。